客先常駐 地獄は本当か?SESや請負の常駐で闇を避けるべき特徴を紹介(ホワイトも有)

  • 更新日2020.10.10
  • IT
客先常駐 地獄は本当か?SESや請負の常駐で闇を避けるべき特徴を紹介(ホワイトも有)
SESは請負の客先常駐は地獄であり、やめとけは本当か?
15年間、客先常駐をしている筆者が見たSESや請負の客先常駐での
様子を紹介したいと思います。

現場ガチャによっては良いところもあれば、
地獄を見るところもあります。
その地獄を見る場合のパターンは結構似ているのが多いので、
これはやめとけというパターン・特徴もあわせて紹介します。

ちなみに私の経歴について、
文系大学を卒業後、
15年間IT関連で仕事をし、現在はフリーランスエンジニアです。
新卒で某中堅ユーザ系システム会社(自社開発4割、客先常駐6割)に入社。
そこで13年間全て客先常駐で、
1次受けや多重の下の方等色々な現場を体験、
発注される側も発注する側も体験してきました。
給料はそこそこあったのですが、
年齢が高くなっても、設計・開発がやりたかったため、
2019年にフリーランスエンジニアに転職しました。

その経験談がお役に立てば幸いです。

結論

先にSESは請負の客先常駐は地獄であり、やめとけは本当か?
の疑問に対する結論を話します。
「SESや請負の客先常駐は現場によっては、劣悪な現場も多いので7割本当。
ただし、良い現場もあるので全くダメというわけではない。」
「入社しやすいので、最初のステップアップとして入り、
あとから転職するのはかなりあり。」

となります。これについて、順をおって説明します。

※ここでいうやめとけという環境とは
残業60時間を超えたり、
深夜、土日に急に対応が必要となったりする割に
給料が安いことを指します。


まず、IT系で一番良いのは
楽天、サイボウズ等のような
優良自社サービス開発会社です。

こういった会社は給料もよく、開発環境も整っており、
エンジニアとして気持ちよく働くことができます。
他にはNTTデータ、富士通、日立などの大手ベンダーや
その子会社なども給料や福利厚生は良いです。

ちなみにGAFAなどの外資系IT企業は、
待遇はいいのですが、
開発は海外で日本は営業メインとなる場合が多いので、
開発はあまりできないようです。
(ないことはないがメインではない。
取引先の人の話を聞いても開発は海外で実施しているとのこと)


これらの会社に入社できればよいのですが、
入社の難易度は高く、
新卒未経験だと、高学歴じゃないとなかなか入社は厳しいです。
また、転職の難易度もかなり高いです。
ただ、転職の方は学歴がそこまで高くなくても
不可能ではなく実際に転職できた人を何人か知ってます。

そこで、そういったところに入れなかった人たちは、
どうすればよいかというと、
まず、入社難易度が低いSESや請負の会社に入ります。
システムエンジニアは結構人材が不足しており、
年齢が若ければ入社自体は可能なレベルです。

そうやってSES・請負会社に入り、
その後、上記で上げたような会社かフリーランスに転職するのが、
一番手っ取り早く給料を稼げる道のりかと思います。

フリーランスは不安定といわれますが、
下記のことができれば継続してお仕事をもらいやすいです。
①その現場の標準レベルで設計・開発ができる。(開発経験3年レベル)
②お客さんと普通に会話ができる。
③勤怠状況が良く遅刻・無断欠勤がない。 (これ重要。意外とできてない人が多い)

わりと普通のことですが、
①②③すべてできる人って、現場の全体の半分未満だったりします。
というのも
「①がまだできてない新人、経験浅い人、運用畑だった人」
「①②③ができる人は、管理者になって設計・開発しなくなる」
「①②はできるが③がダメな人」
「①ができない学習能力が低い人」
「②ができない意思疎通困難者」
のようなことから、①②③全部そろうのが意外と少ないです。
(体感、上から順にあるあるパターン)

良くないことが多い常駐先のパターン

良くないことが多い常駐先の契約形態は下記の通りの形態。

======================================
エンドユーザ(官公庁、金融 、通信等)

元受け(Sier)

中受け(Sier子会社や別の開発会社)

孫請け以降の請負・SES(★このポジション)
======================================

このパターンは高確率でよくない現場になりやすいです。
特にエンドユーザが官公庁、金融、通信だと品質の要求値が高く、
その割に協力的でない場合が多いので、
より悪い状態になりやすいです。
(上記の業種が協力的ではないのはエリート意識が強いからなのか・・)

良くない現場になりやすい理由を説明します。

①エンドユーザのお客様意識が強い。

エンドユーザは自身がお客様であるという意識が強く、
共に製品を作っていこうという仲間意識が低いです。
「丸投げするつもりで大金払ったんだから、やって当然でしょ」
という日本人によく見かけるお客様は何やってもいいという、
謎の意識をここでもいかんなく発揮します。
(もちろん良い人もいますが、上の役職の人がこうだと意味なし)

なので、かなりの無茶を平気で言ってきたり、
バグを発生させようものならものすごく咎められます。
これが精神的になかなかつらいものがあります。
バグ報告にいくときは胃がきりきりしました。
(バグはどうしても発生してしまうものです。
それを延々と咎めるより、発生したら次に発生しなくなるような、
システマチックな仕組みを作る方がよっぽど効率的で健全です。)

あと一番地獄になりやすいのが、
締め切りは絶対に動かせないパターンです。
ありがちなのは
「お客のサービスが○年○月に出るという広報をしているので、
スケジュールは絶対順守」や
「他会社の調整の結果、○月○日に▲機能を提供する必要がある。」
といった場合等です。
そうなるとエンドユーザの開発の統括の人も
更に上や横から言われているので、
現場のメンバーにはスケジュールを修正する決定権はありません。

締め切りが決まっているのに、以下のようなパターンで、
スケジュールが破綻していきます。

■この手の現場は大人数のウォーターフォールが主流で大きな手戻りなどがよく発生。
■一向に設計が進まない結果発生する、ありえない短期間の開発スケジュール。
■進捗の報告をやたらと求められるのでその作業に追われる。
■人海戦術で現場知らない人や素人が投入され、その対応に追われる。
■別件でバグが発生し、報告書とそれの改善案(大抵人力で作業が無駄に増えるやつ)の提出
■無駄な会議 etc・・・
残業。仕事が終わらない orz

②開発環境が劣悪

開発環境が劣悪なことが多く、
技術者として成長が遅れる場合があります。
未経験~2年目くらいは現場のえり好みができないし、
どんな現場であっても得るものがあるので良いですが、
成長してくると物足りなくなったりします。
また、短期間ならその現場の知識を勉強できますが、
長期だとお勧めできません。

例に挙げると以下のようなパターンです。

■ネット検索不可
⇒セキュリティ重視のため、冗談抜きにあります。
 わからない情報は本を見て手で写します。
■スマホ持ち込み不可
■使用しているシステムが古い(java1.5を使用等、2020年の話です)
■git等のバージョン管理システムを入れてない。
■性能が悪い古いパソコンが支給される。
■パソコンのディスプレイが1つ。持ち込みも不可。
■椅子がパイプ椅子(人海戦術の応援時に体験。腰を悪くします)
■新しい技術を導入するのに恐ろしくハードルが高い。
Sierが客に対して絶対的な品質を求められるのでなかなか挑戦ができない。
長時間どころか短時間でも腰と尻が痛い orz

③自社の人がいない

これはエンドユーザ(官公庁、金融 、通信等) のパターン以外でも
発生しえますが、上記パターンの方が精神的につらい場合が多いため、
この自社の人がいない状態だと、地獄を見る場合が多いです。

というのもSESや請負で1人で派遣されている場合は、
誰も頼る人がいなくて精神的にかなりつらいです。
指示を出す現場の人が話が分かる人ならばいいですが、
そうでないと1人での戦いになり、簡単に心が折れます。
経験が浅い場合は自社の人がいる現場で働いた方が良いです。

良くない現場に入ってしまった場合の対処

ダメなパターンに当てはまっていて、
この現場良くないなと感じたら、
営業に報告して現場を変えてもらうか、転職した方が良いです。
地獄に長時間居ると体調を崩すどころか下手したら死にます。

現場への責任が!とか思う必要はないです。
一番悪いのはそんな現場に送り込んで搾取している会社なので。

また、急に抜けたとしても現場も一時期は混乱しますが、
経験上、客先常駐の人が1人かけたくらいでは、
破綻せず数日したら何とか回るようになるので、
気にせず自分のことを大事にしたほうが良いです。

うつ病や病気で去っていくのはもちろん、
冗談抜きに朝会で、
「○○所属の○○さんが息を引き取られました。」
というのを過去2回ほど経験しました。笑えません・・・。
なので体の異常を感じたらすぐに引いた方が身のためです。
逃げろー!!


ただ、ダメパターンでも現場の人との連帯感が素晴らしいとか、
自分の感情的に気に入っているとかもあるかと思われるので、
自分の居心地と相談して、考える必要もあります。

論外例(転職を強く推奨)

良くないパターンとか、現場がちゃとかいう議論をする以前に、
どうやっても将来の展望がのぞめず、
現在の給料の面でもよくないことが想像できるので、
強く転職を推奨するパターンを紹介します。

3次受けを超えた多重下請け

自分の契約が3次受けを超えて、
4次受け、5次受けとなっている場合は、
他の会社やフリーランスエンジニアに転職した方が良いです。
(過去最大で7次受けの人を見ました。)

形式で言うと下記の通り。
年収はおおよその値です。
======================================
エンドユーザ(官公庁、金融 、通信等)

1次受け(Sier):40歳年収:800万円↑

2次受け(Sier子会社や別の開発会社):40歳年収:700万円↑

3次受け(ぎりぎりOKだが転職推奨):40歳年収:600万円↑

4次受け(転職推奨)

・・・・以下省略、給料は低い。
======================================

権限が低い場合が多く、やれることも少ないですし、
何より給料が上がることがありません。
というのも中抜きされている分、
会社がもらっている金額が少ないので、
派遣されている人に支払われる給料も当然少なくなります。
7次受けの人は当時38歳で年収300円でした。

普通にやれてる人ならば、別会社かフリーランスに転職した方が、
給料が良い場合が多いです。
丸投げ、現場には誰もいない

こういった多重下請け構造は本当におぞましいので嫌いです。
過去、現場に派遣されてきた人の間の搾取会社の営業とかは、
見たことがないです。
現場に人がいるならその人の指示で動いていたりするので、
まあいいのですが、まったく見たことがない人たちが、
お金を受け取って末端にお金がいかない仕組みは、
システムを作るのに何の意味があるのだろうか・・・。
こんな状態では、やる気もそがれます。
エンジニアの質も下がります。
(根元をたどると日本のクビにしにくい制度が、
現場の人数の流動性が高いIT関連では特に足枷になっているように思える)

未経験者をいきなり一人で派遣。しかも経歴詐称する

未経験者とわかっていながら、
周りに自社の人がいない現場に放り込む会社もあります。

紹介や面接時に営業が未経験者と話していれば、
受け入れる側も納得して、
成長見込みで受け入れるのでまだいいのですが、
経歴詐称して派遣するパターンがあったりします。
その場合は 受け入れる側も本人も不幸なことになります。
(喜ぶのは中抜き会社と営業だけ・・、ともに現場に貢献しない人達)

完全未経験を1人で 経歴を盛って派遣する会社は
もれなくブラックでつぶれた方がいい会社なので、
転職を強く推奨します。
派遣する人や現場のことなんか知らん!

運用と試験しかさせてくれない

スキルが低かったり、参入すぐだと、
まずは慣れるために運用や試験をすることが多いです。

ただ、3か月以上たっても運用と試験しかさせてくれない場合、
ずっと設計・開発ができず、
いつまでたってもスキルが上がりません。

半年以上いてもその状態が続くようなら、
早くその現場を脱出することを考えた方が良いです。
現場を離れさせてくれず、そのまま放置する会社ならば、
転職した方が良いです。
また、派遣されるどの現場も運用・試験ばかりならば、
やはり転職を考えた方が良いです。

たまに経験は10年と長いわりに、
運用しかやってきてなかったため、
まったく役に立たない人が来ることがありました。
そういった場合は、人数調整のタイミングになると、
真っ先に対象になります。

スキルが低いと現場も選べないので、
運用・試験のみに費やすのは時間の浪費です。

※注意
ただし、未経験者は運用や試験をしている最中に
やる気をだして独学で勉強しないと、
割り振る側から何もできない烙印を押されて、
そのままの状態になるので、
現状の仕事をきっちりこなして信用を得つつ、
その現場の開発スキルを準備しておくことをお勧めします。
⇒Linuxといったインフラや、python、php、javaといった言語等。

設計や開発の話はそれからになりますね。
やる気のあるなしは、頼む側は結構見ているので、
抜け出したいなら、きちんとやっといた方が良いです。

良い常駐先のパターン

悪い常駐先も多いですが、良い常駐先もあります。
ちなみに現在の私の常駐先は良いと思っています。

その良いと思えるパターンは以下の感じです。
======================================
エンドユーザ(自社開発)

請負・SES(★このポジション、1次受け)
======================================
もしくは
======================================
エンドユーザ(自社開発)

中受け(子会社や別の開発会社)

請負・SES(★このポジション、2次受け)
======================================

もちろん自社開発の会社に直接就職もありです。
というかそれが一番人気がありますよね。

このパターンだと上記の良くない現場で書いた
「①エンドユーザのお客様意識が強い」
といったことは少なく、
発注側も開発する人たちなので、
一緒に開発しようとしてくれる仲間意識があるように感じます。
(ない場合もあります。現場の人次第)

このため無茶なスケジュールが組まれることが少なく、
よっぽどの事案が発生しない限りは
定時で行う作業量の前提でスケジュールが組まれます。
なので普通に定時で帰ることができます。

また、自社開発で現場に決定権があるため、
安全で前例踏襲のシステムだけではなく、
新しく効率的なシステムの導入も許可をくれたりします。

終わりに

SES・請負の客先常駐は
最近はIT技術者の不足のためか、待遇が改善されており、
まだましにはなっていますが、まだまだ悪い現場が多いです。
ただ、そうした現場は未経験者でも入りやすいので、
下積みと割り切って入ったあと、
自分で勉強も進め、よりよい環境へ転職していけば良いかと思います。

地獄のような劣悪な環境で働くSES・請負の方々が
少しでも減ることを願います。

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